3.仮説を立てて自分で検証してみる

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私が今まで見てきた初心者の方々の中で短期間にパソコンに上達してしまう人と、いつまでたっても初心者レベルで終わってしまう人に大きくわかれてしまう傾向があります。これは決して年の差でもなければ、性別の差でもありません。最終学歴の差でもないことは、はっきりと断言しておきます。

短期間で上達する人たちに共通することは、私たちのように教えたりサポートする人間からしてみるとあまり手がかからないという点があげられます。

いっぽう、いつまでも初心者レベルから脱皮できない人たちは、いつまでもちょっと調べればすぐわかるような簡単なことや以前に教えたことと似たような問題をたびたび聞いてきます。ここは前に教えたことと同じだよと言っても「そうでしたっけ、忘れました。」とか「私は頭が悪いので…」といった答えが返ってきます。

自分で自分のことを頭が悪いと卑下する態度は、見過ごせない考え方ではありますが、本題とは別のテーマですのであまり触れません。このような初心者レベルから脱皮できない人は頭が悪いのではなくて、頭の使い方、つまり、思考のプロセスが悪いだけなのです。

もう一度、短期間に上達する人を観察してみることにしましょう。
彼らにしてみても、最初はもちろん初心者で何もわからない状態です。

たとえば、windowsを使っている方なら皆さんご存知の「ごみ箱」というプログラム(機能)があります。これはいらないファイルを一時的に保管しておくものです。一度は捨てたファイルではあるのですが、このごみ箱にあるファイルはやっぱり必要だったといった時にはもう一度取り出して使うことが可能です。ファイルを削除してもいったんはこのごみ箱に保存された状態で、いきなりすべてなくなってしまうわけではありません。

ところが、これがネットワークにつながったサーバーに保存されたファイルだったら、削除を実行した時点でいきなりなくなってしまいます。(FTPツールでつながったWebサーバのファイルも同様です。)

短期間でパソコンに上達する人は、ここで「なぜだろう」と考えます。そして、自分のパソコンに保存したファイルとサーバーに保存したファイルでは、違う動きをするのではないかという仮説を立てます。そして、それが正しいかどうか、実際にダミーのファイルをサーバーに保存して削除してみるという行動をとります。

そこで、「やっぱりそのとおりだった」と自分の仮説が正しかったことを確認するのです。次回からはサーバーに保存したファイルを扱うときは慎重に行うようになります。

反対に初心者レベルで進歩できない人は、「ごみ箱に削除したファイルがない→パソコンがおかしい」といった具合に短絡的に判断してしまうので、次回も同じ失敗を繰り返します。

つまり、パソコンがおかしいと判断してしまった時点で、自分の頭で考えることを止めてしまうのです。思考停止に陥っているので、次にできることは誰かに助けを求めるしかありません。人に聞くことは悪いことではありませんが、いつでもそばに助けてくれる人がいるとは限りませんし、助けてくれる人が常に的確にすばやく問題を解決できるともいいきれません。

常に自分で仮説を立て、それを検証してみるという思考のプロセスを身に付けておくことで、最初は初心者でもすぐに問題の解決能力が高まってきます。その結果として実力も増してくるようになります。

ローカルのパソコンにあるファイル(ここではデスクトップに保存したファイル)は、削除するとこのようなメッセージが出てきます。

ネットワークにあるファイルは表示される確認メッセージ少し違います。

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